2021年04月25日
キャサリンはめちゃくちゃご機嫌斜め
「キャサリンさん。さっきから呼んでいるのに、どうして返事をしてくれないの?」と、空飛ぶコーギーのマロンが言いました。着ていた青のユニフォームを脱ぎ捨てたキャサリンは、マロンの方に顔も向けてくれません。「ねえ、キャサリンさんってば…」。マロンの頭に乗っかったケロちゃんも「ケロ♪」と呼んでみましたが、知らん顔。「ご機嫌斜め?」。
「そりゃあ、誰だって、機嫌がいいわけないでしょう!」と、青のユニフォームがマロンの足元に飛んで来て、キャサリンの大きな声が響きました。お皿も鍋も、サッカーボールも飲みかけのグラスも…、なくした時間もドイツへの道も…、次から次へと飛んで来ました。「さあ、マロン。行くわよ」。「ええ?クロアチア戦は日曜日だよ」と、マロンは言いました。「ドイツに行くって言ってるんじゃなくて、神社にお参りに行くの」と、キャサリンは古い箒にまたがりました。「ちょ、ちょっと、待ってよ」と、マロンとケロちゃんも後を追い駆けました。3本足のヤタガラスもついてきました。空では、ハシブトガラスたちが、ロングシュートの練習をしていました。「いいか。ゴールが見えたら、パスじゃなくて、シュート。シュートを打って打って、打ちまくれ!」と、Zicoカラスが叫んでいました。「Zico!あなたには戦略ってものがないの?えぇ?大黒をあそこで出したって、ムリでしょう?あの時間帯で何かを期待したって、何もできないわよ?駒野へのファールは、PKじゃない。あなたはアピールをしたの?」。カラスのイレブンは、あっけに取られた顔で「カア?」と鳴きました。「クロアチア戦は、4-4-2で行くのよ」と、キャサリンがZicoに言いました。「小笠原を使え!」と、ヤタガラスも言いました。Zicoカラスは、8番のカラスに声をかけました。8番は、力いっぱいのロングシュートを打ってみせました。サッカーボールがマロンの頭に乗っかっているケロちゃんをかすめて飛んで行きました。「ケロ♪」。「釜本さんを出してよ!」。

キャサリンの青い稲妻が、どんどん先へと向かいました。こっちでは、ハシボソカラスたちも、4-4-2のシステムを試していました。「コンフェデ杯の再現だ!」と、ここでもZicoカラスが叫んでいました。「がっかりしてても仕方がない」と、チームに声をかけていました。「中田も中村も、シュートよ!稲本だっているでしょう?」と、キャサリンが言いました。「マロンもヤタガラスも三都主も加地も、ボールを奪ったらサイドを駆け上がり、正確なセンタリングよ!」。「気持ちを切り替えろ!勝つしかないんだから」と、ヤタガラスが言いました。
先頭1トップのキャサリンは、ようやく着地シュートの態勢に入りました。そこは、どこかの神社の鳥居の下でした。「あっ、ここは…」と、ヤタガラスが言いました。「どこなの?クロアチアと関係があるの?」と、マロンが聞きました。「マロン。何で知らないの?あなたは知っているはずよ」と、キャサリンはヤタガラスに言いました。「もちろんです。『八咫烏神社』は、私たちの祖先を祭る神社です」と、ヤタガラスは言いました。「…と言うことは、どういうこと?」。「ここには、ジーコJAPANを守る神様が祭られているのです」と、ヤタガラスが答えました。「そうよね。だから、必勝祈願は、ここしかないわ」と、キャサリンが言い鳥居のゴール目がけて強烈なロングシュートを放ちました。「キャサリンさん。怒ってる~」。
キャサリンとマロンとケロちゃんとヤタガラスは、目をつぶってそれぞれ手と前足と羽と気持ちを合わせました。「必ず、ジーコJAPANを勝たせてください」。そして、神社の境内にパンパンと拍手を響かせました。「この祈りが、どうかドイツへ届きますように…」。振り向くと、さっきのカラス軍団も羽を合わせて祈っていました。「日本では、カラスだって犬だってカエルだって祈っているのよ。ジーコ!あなたは、黄金のカルテットだったんでしょう?サッカーの『神様』って言われてるんでしょう?神様だったら神様らしく…。そうだ。あなたが、出てはいけないの?」「さあ、戦って、勝つしかないのよ!」と、キャサリンが叫びました。Oh!
「そりゃあ、誰だって、機嫌がいいわけないでしょう!」と、青のユニフォームがマロンの足元に飛んで来て、キャサリンの大きな声が響きました。お皿も鍋も、サッカーボールも飲みかけのグラスも…、なくした時間もドイツへの道も…、次から次へと飛んで来ました。「さあ、マロン。行くわよ」。「ええ?クロアチア戦は日曜日だよ」と、マロンは言いました。「ドイツに行くって言ってるんじゃなくて、神社にお参りに行くの」と、キャサリンは古い箒にまたがりました。「ちょ、ちょっと、待ってよ」と、マロンとケロちゃんも後を追い駆けました。3本足のヤタガラスもついてきました。空では、ハシブトガラスたちが、ロングシュートの練習をしていました。「いいか。ゴールが見えたら、パスじゃなくて、シュート。シュートを打って打って、打ちまくれ!」と、Zicoカラスが叫んでいました。「Zico!あなたには戦略ってものがないの?えぇ?大黒をあそこで出したって、ムリでしょう?あの時間帯で何かを期待したって、何もできないわよ?駒野へのファールは、PKじゃない。あなたはアピールをしたの?」。カラスのイレブンは、あっけに取られた顔で「カア?」と鳴きました。「クロアチア戦は、4-4-2で行くのよ」と、キャサリンがZicoに言いました。「小笠原を使え!」と、ヤタガラスも言いました。Zicoカラスは、8番のカラスに声をかけました。8番は、力いっぱいのロングシュートを打ってみせました。サッカーボールがマロンの頭に乗っかっているケロちゃんをかすめて飛んで行きました。「ケロ♪」。「釜本さんを出してよ!」。

キャサリンの青い稲妻が、どんどん先へと向かいました。こっちでは、ハシボソカラスたちも、4-4-2のシステムを試していました。「コンフェデ杯の再現だ!」と、ここでもZicoカラスが叫んでいました。「がっかりしてても仕方がない」と、チームに声をかけていました。「中田も中村も、シュートよ!稲本だっているでしょう?」と、キャサリンが言いました。「マロンもヤタガラスも三都主も加地も、ボールを奪ったらサイドを駆け上がり、正確なセンタリングよ!」。「気持ちを切り替えろ!勝つしかないんだから」と、ヤタガラスが言いました。
先頭1トップのキャサリンは、ようやく着地シュートの態勢に入りました。そこは、どこかの神社の鳥居の下でした。「あっ、ここは…」と、ヤタガラスが言いました。「どこなの?クロアチアと関係があるの?」と、マロンが聞きました。「マロン。何で知らないの?あなたは知っているはずよ」と、キャサリンはヤタガラスに言いました。「もちろんです。『八咫烏神社』は、私たちの祖先を祭る神社です」と、ヤタガラスは言いました。「…と言うことは、どういうこと?」。「ここには、ジーコJAPANを守る神様が祭られているのです」と、ヤタガラスが答えました。「そうよね。だから、必勝祈願は、ここしかないわ」と、キャサリンが言い鳥居のゴール目がけて強烈なロングシュートを放ちました。「キャサリンさん。怒ってる~」。
キャサリンとマロンとケロちゃんとヤタガラスは、目をつぶってそれぞれ手と前足と羽と気持ちを合わせました。「必ず、ジーコJAPANを勝たせてください」。そして、神社の境内にパンパンと拍手を響かせました。「この祈りが、どうかドイツへ届きますように…」。振り向くと、さっきのカラス軍団も羽を合わせて祈っていました。「日本では、カラスだって犬だってカエルだって祈っているのよ。ジーコ!あなたは、黄金のカルテットだったんでしょう?サッカーの『神様』って言われてるんでしょう?神様だったら神様らしく…。そうだ。あなたが、出てはいけないの?」「さあ、戦って、勝つしかないのよ!」と、キャサリンが叫びました。Oh!