2021年07月02日
きれい好きのカラス
「ワンワン!」と、電線の上のカラスが鳴きました。コーギーのマロンが見上げると「おーい、マロン。今朝もゴミ当番かい?」と、犬の言葉で聞いてきました。マロンは知らんぷりをして歩きました。「キャンキャン!」とカラスがポテトの声で鳴きました。「マロン。ゴミは散らかしちゃあダメだぞ!」。
マロンがゴミ集積所のそばを通ると、穴の開けられたゴミ袋から、散らかったゴミが歩道いっぱいに広がっていました。「こら!カラス!君たちの仕業だろう?」と、マロンが大きな声を上げました。「何、言ってるの?もう忘れちゃったの?昨日、マロンとポテトでゴミの袋を漁ってたじゃん」と、カラスが言いました。「犬って、本当に物忘れが激しいね」。はて?そう言われてみると、何となくそんなこともあったような?なかったような?「まあ、とにかく片付けなくっちゃ」と、マロンは散らかったゴミを集め始めました。「エーと、ペットボトルはこっち。ガラス瓶はここ」と、片付け始めると、やっとカラスが降りてきました。「僕が片付けても良かったんだけど、それじゃあ、いつまでたってもマロンが片付けのできないダメ犬になっちゃうから、マロンが来るのを待っていたんだ」と、カラスは犬の言葉で言いました。
「マロン。牛乳パックや発泡スチロールのトレイなんかは、スーパーで回収してるよ」と、カラスが教えました。「ああ、そうなの?」。「ペットボトルはキャップを外して、潰す」と、カラスが上に乗りましたが、いくらトントンやってもダメ。「僕がやるよ」と、マロンが乗ったらペコリと潰れました。「ねっ?いくら頭が良くっても、カラスにできないことだってあるんだよ」。

「ああ、この針金ハンガーは僕にちょうだい」と、カラスが言いました。「何にするの?」と、マロンが鳥の言葉で聞きました。「『伊東家の食卓』でやっていたんだけど、これで巣を作るんだ」と、カラスが犬の言葉で答えました。「でも、電柱とかに巣を掛けて、停電したりする事故もあったらしいよ」と、今度はマロンが教えました。「えっ、そうなの?『とくダネ!タイムズ』でやってたの?まさか、犬に教わることがあるなんて、思ってもいなかった」。
「マロン。何してるの?」と、パジャマを着た魔女のキャサリンが箒に乗って飛んで来ました。「片付け、片付け。掃除、掃除」と、マロンが言いました。「どこかのダメ犬が散らかしていったらしいんだ」。「偉い!さすが、マロン」と、キャサリンが言いました。「キャサリンさん。ちょうど良かった。その箒でそこを掃いてよ」と、マロンが言いました。「ええ、この空飛ぶ箒で?」と、キャサリンが言いました。「キャサリンさん。空飛ぶ箒でも、箒は箒なの。お願いだから、そこを掃いて!」。魔女のキャサリンは、渋々歩道を掃き始めました。「キャサリンさん。ご苦労さま」と、リナちゃんのママがゴミの袋を持ってやってきました。「いいえ。私はきれい好きだからね」と、キャサリンはパジャマの袖を捲り上げて張り切りました。マロンと真っ黒カラスも頑張りました。歩道のごみは、たちまちきれいに…。「ところで、そこにいるカラスは誰なの?」。
「ああ、このカラスね。きれい好きのカラス」と、マロンが答えました。「まあ、珍しい」と、キャサリンが言いました。「じゃあ、私がいいことをしてあげる。キャサリンリンリンオシロイバナ!」。キャサリンの呪文で、真っ黒カラスの羽が真っ白天使の羽に変わりました。「おお、白くなった!」と、カラスが大きな声で言いました。「どう?気に入った?」。「こりゃ、きれいだ」と、きれい好きのカラスが言いました。「マロン。もう、散らかしちゃあダメだぞ!」。
マロンがゴミ集積所のそばを通ると、穴の開けられたゴミ袋から、散らかったゴミが歩道いっぱいに広がっていました。「こら!カラス!君たちの仕業だろう?」と、マロンが大きな声を上げました。「何、言ってるの?もう忘れちゃったの?昨日、マロンとポテトでゴミの袋を漁ってたじゃん」と、カラスが言いました。「犬って、本当に物忘れが激しいね」。はて?そう言われてみると、何となくそんなこともあったような?なかったような?「まあ、とにかく片付けなくっちゃ」と、マロンは散らかったゴミを集め始めました。「エーと、ペットボトルはこっち。ガラス瓶はここ」と、片付け始めると、やっとカラスが降りてきました。「僕が片付けても良かったんだけど、それじゃあ、いつまでたってもマロンが片付けのできないダメ犬になっちゃうから、マロンが来るのを待っていたんだ」と、カラスは犬の言葉で言いました。
「マロン。牛乳パックや発泡スチロールのトレイなんかは、スーパーで回収してるよ」と、カラスが教えました。「ああ、そうなの?」。「ペットボトルはキャップを外して、潰す」と、カラスが上に乗りましたが、いくらトントンやってもダメ。「僕がやるよ」と、マロンが乗ったらペコリと潰れました。「ねっ?いくら頭が良くっても、カラスにできないことだってあるんだよ」。

「ああ、この針金ハンガーは僕にちょうだい」と、カラスが言いました。「何にするの?」と、マロンが鳥の言葉で聞きました。「『伊東家の食卓』でやっていたんだけど、これで巣を作るんだ」と、カラスが犬の言葉で答えました。「でも、電柱とかに巣を掛けて、停電したりする事故もあったらしいよ」と、今度はマロンが教えました。「えっ、そうなの?『とくダネ!タイムズ』でやってたの?まさか、犬に教わることがあるなんて、思ってもいなかった」。
「マロン。何してるの?」と、パジャマを着た魔女のキャサリンが箒に乗って飛んで来ました。「片付け、片付け。掃除、掃除」と、マロンが言いました。「どこかのダメ犬が散らかしていったらしいんだ」。「偉い!さすが、マロン」と、キャサリンが言いました。「キャサリンさん。ちょうど良かった。その箒でそこを掃いてよ」と、マロンが言いました。「ええ、この空飛ぶ箒で?」と、キャサリンが言いました。「キャサリンさん。空飛ぶ箒でも、箒は箒なの。お願いだから、そこを掃いて!」。魔女のキャサリンは、渋々歩道を掃き始めました。「キャサリンさん。ご苦労さま」と、リナちゃんのママがゴミの袋を持ってやってきました。「いいえ。私はきれい好きだからね」と、キャサリンはパジャマの袖を捲り上げて張り切りました。マロンと真っ黒カラスも頑張りました。歩道のごみは、たちまちきれいに…。「ところで、そこにいるカラスは誰なの?」。
「ああ、このカラスね。きれい好きのカラス」と、マロンが答えました。「まあ、珍しい」と、キャサリンが言いました。「じゃあ、私がいいことをしてあげる。キャサリンリンリンオシロイバナ!」。キャサリンの呪文で、真っ黒カラスの羽が真っ白天使の羽に変わりました。「おお、白くなった!」と、カラスが大きな声で言いました。「どう?気に入った?」。「こりゃ、きれいだ」と、きれい好きのカラスが言いました。「マロン。もう、散らかしちゃあダメだぞ!」。