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2021年07月22日

空に描いた絵日記

 「今日は、大きなスイカを食べました」と、食いしん坊コーギーのマロンが丸い雲をながめて言いました。「それから、トウモロコシも食べました」と、今度は細長い雲を指差しました。「あまり暑いので、カキ氷も食べました」と三角形の雲も見つけました。「マロン。何言ってるの?」と、ポメラニアンのポテトが聞きました。「僕の絵日記じゃん。空に描いてるんだよ」と、マロンは言いました。「あとは昼寝をしました」。

 「沙織さんと海に行きました」と、ポテトが言いました。「砂浜にはヤドカリが遊んでいました」と、千切れた雲を指差しました。「白いパラソルが並んでいました」と、平べったい雲。「カモメが仲良く遊んでいました。これが僕の絵日記」。

 「空には何でも描けるね」と、マロンが言いました。「空の日記帳にだったら、僕たち犬にも描けるね」と、ポテトも言いました。
空に描いた絵日記


 「白い空に青い雲が浮かんでいました」と、1年生のリナちゃんが言いました。「えっ?白い空に青い雲?」と、マロンが聞きました。「そうよ。今日の空は、白い空に青い雲」。「うーん。確かに、どっちが空でどっちが雲か、よく分からない」と、ポテトも言いました。「私が塗り替えたの」と、リナちゃんが言いました。リナちゃんの絵日記帳には、白い空にポッカリ浮かぶ青い雲が描かれていました。わた雲だって空色クレヨン。入道雲だって空色クレヨン。飛行機雲だって空色クレヨン。「なんでもかんでも、リナの世界は空色クレヨン。スイカだってトウモロコシだって、みんな空色」。

 「わあ、リナちゃんのせいで、僕のスイカがでっかくなった」と、マロンが空をながめました。「トウモロコシもカキ氷の、食べきれないくらいにでっかいぞ」。「リナちゃんのせいで、僕のパラソルもでっかくなった」と、ポテトも言いました。「ヤドカリだってカモメだって、うんと、うんとでっかいぞ」。「リナは空色大好きだから、何でも空色で描いちゃうの」と、リナちゃんのクレヨンが太陽も空色で描きました。空で光ってる太陽も、ポンと空色に変わりました。「ほら、私が塗り替えたの」。白い空に、リナちゃんが描いた夏休みの絵日記が浮かんでいました。「おやおや、あれは何?」。ちょっぴり下手くそな絵?2匹の空色の犬とリナちゃんみたいな空色の少女も、お空にぽっかり浮かんでいました。「あれって、マロンちゃんが描いたんでしょう?」。


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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 04:44│Comments(0)空飛ぶコーギー
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