2021年07月10日
おみくじ
「だからさ、占いなんか信じてないってば…」と、コーギーのマロンは首を振りました。「そうは言ってもね…」と、やっぱりマロンは『おみくじ』の箱を振り上げました。「それ!」と一振りしたら、『大吉』と出ました。「やったー!『大吉』だ」と、マロンは大喜び。で、もう一回ガサガサと箱を振り、今度も「『大吉』だ!」。
「マロン。何度も引いちゃあ、いけないんだよ」と、ポメラニアンのポテトが言いました。「何で?だって、運勢がいい方がいいじゃん」と、マロンは、またまた箱をガサガサ降り始めました。「マロン。おみくじは一度だけ!」と、神社の招き猫も止めました。「もう一回くらい、いいじゃん」と、マロンは無理やり箱を振りました。「ガーン!『大凶』だ!」。「だから、やめとけば良かったのに」と、招き猫が言いました。「『大凶』だって…」と、マロンは急に元気がなくなってしまいました。「『大凶』だって。どうしよう?」。「大丈夫だよ。その前2回は『大吉』だったんだから」と、ポテトがなぐさめましたが、「ただの『凶』じゃあなくて『大凶』…」とマロンの耳には聞こえていないようでした。「『大凶』…。どうしよう?」。
マロンは、うつむき加減にトボトボと歩きました。「『大凶』…。きっと悪いことが起きるんだ。交通事故かもしれないし、急にお腹が痛くなるかもしれない。「気にしない、気にしない!マロンらしくないぞ。占いなんて、当たらないって。僕は信じないよ」と、ポテトが言いました。「なぐさめなんていいよ」と、マロンが言いました。「『めざましテレビ』の星占いでも『注意力が散漫になる日。何をやってもうまくいかない一日』って言われたし…」。「マロンって、何座生まれなの?」と、ポテトが聞きました。「僕たちは、仔犬座に決まってるじゃん」。
「わっ!何?ビックリした!」。マロンの前を、急に横切る黒い影がありました。黒い影は、歩道を横切って「ニャー!」と振り向きました。「黒猫じゃん!もう、最悪!」と、マロンが叫びました。「もう、僕、ダメ!」。「大丈夫だよ。黒猫なんて、探せばこの街にはいくらでもいる。だから、別に悪いことが起こるとは限らないよ」と、ポテトがなぐさめました。
少し歩くと、突然マロンの首輪が切れて落ちました。「ああ、絶対に悪いことが起こる!次々と縁起でもないことばかり…。僕、もう、うちに帰る」と、マロンは帰り道を急ぎました。ポテトも黙ってついて行きました。マロンはわき目も振らずに歩きました。パタパタ、パタパタ歩きました。マロンのおうちが見えてきました。玄関に和くんのママさんが立っていました。「マロンって、鼻が利くのよね。いいところに帰ってきたわ」と、ママさんが言いました。「はい。マロンの分」と、手にしたソフトクリームをマロンの前に差し出しました。「こっちは、ポテトの分だからね」。
マロンの顔つきが、急に変わりました。「マロン。どうする?」「どうするって?」「いや、最悪の運勢だから、食べるのよす?」「何で?」「お腹を壊すかも知れないし…」「どうして?」「だから、運勢が…」「ポテトって、占いとか信じてるの?」「いや、別に…」「ポテトが食べなければ、僕がもらっちゃうよ」と、マロンがソフトクリームに飛びつきました。「あっ!」。マロンが飛びついた勢いで、ママさんの手からソフトクリームがポトリと逆さまに落ちました。「マロン。どうしてそんなに慌てるの。もう、本当に食いしん坊なんだから」と、ママさんが叱りました。マロンは呆然と立ち尽くしました。「あーあ」。マロンのソフトクリームは、熱く焼けた地面の上で早くも融けかかっていました。ポテトはおいしそうにソフトクリームをなめていました。「ポテトはお利口さんね。マロンも少しは見習ったら!」。
「やっぱり占いって当たるんだ。叱られちゃった」と、マロンがつぶやきました。「マロン。少しなめてもいいよ」と、ポテトが言いました。「いいよ。僕がなめると、そのソフトクリームも落としちゃうかも…」「そんなことないよ。大丈夫だから、少しなめたら?」。マロンが、ポテトのソフトクリームをなめました。「ああ、冷たくって、おいしい」。「ねっ?これで、マロンの『大凶』はおしまい。僕は、占いとかおみくじなんて信じないよ」と、ポテトが言いました。「そうだと、いいけどなあと、マロンが大きな口で一なめしました。「ああ、ダメ。全部食べちゃあダメ。僕のソフトクリームなのに…」。
「もう、僕、帰る!」と、ポテトが帰ろうとしました。と、その時、ポテトの耳に「カア!」と鳴く声が不気味に響きました。「何?カラスじゃん!」。ポテトが叫びました。「カラスなんか、この街にはたくさんいるし、珍しくなんかないよ」と、マロンが口の周りをなめながら言いました。「ああ、もう絶望的!ソフトクリームをマロンにあげなければ良かった。きっと、マロンの『大凶』が、僕にうつったんだ」。
「マロン。何度も引いちゃあ、いけないんだよ」と、ポメラニアンのポテトが言いました。「何で?だって、運勢がいい方がいいじゃん」と、マロンは、またまた箱をガサガサ降り始めました。「マロン。おみくじは一度だけ!」と、神社の招き猫も止めました。「もう一回くらい、いいじゃん」と、マロンは無理やり箱を振りました。「ガーン!『大凶』だ!」。「だから、やめとけば良かったのに」と、招き猫が言いました。「『大凶』だって…」と、マロンは急に元気がなくなってしまいました。「『大凶』だって。どうしよう?」。「大丈夫だよ。その前2回は『大吉』だったんだから」と、ポテトがなぐさめましたが、「ただの『凶』じゃあなくて『大凶』…」とマロンの耳には聞こえていないようでした。「『大凶』…。どうしよう?」。
マロンは、うつむき加減にトボトボと歩きました。「『大凶』…。きっと悪いことが起きるんだ。交通事故かもしれないし、急にお腹が痛くなるかもしれない。「気にしない、気にしない!マロンらしくないぞ。占いなんて、当たらないって。僕は信じないよ」と、ポテトが言いました。「なぐさめなんていいよ」と、マロンが言いました。「『めざましテレビ』の星占いでも『注意力が散漫になる日。何をやってもうまくいかない一日』って言われたし…」。「マロンって、何座生まれなの?」と、ポテトが聞きました。「僕たちは、仔犬座に決まってるじゃん」。
「わっ!何?ビックリした!」。マロンの前を、急に横切る黒い影がありました。黒い影は、歩道を横切って「ニャー!」と振り向きました。「黒猫じゃん!もう、最悪!」と、マロンが叫びました。「もう、僕、ダメ!」。「大丈夫だよ。黒猫なんて、探せばこの街にはいくらでもいる。だから、別に悪いことが起こるとは限らないよ」と、ポテトがなぐさめました。
少し歩くと、突然マロンの首輪が切れて落ちました。「ああ、絶対に悪いことが起こる!次々と縁起でもないことばかり…。僕、もう、うちに帰る」と、マロンは帰り道を急ぎました。ポテトも黙ってついて行きました。マロンはわき目も振らずに歩きました。パタパタ、パタパタ歩きました。マロンのおうちが見えてきました。玄関に和くんのママさんが立っていました。「マロンって、鼻が利くのよね。いいところに帰ってきたわ」と、ママさんが言いました。「はい。マロンの分」と、手にしたソフトクリームをマロンの前に差し出しました。「こっちは、ポテトの分だからね」。
マロンの顔つきが、急に変わりました。「マロン。どうする?」「どうするって?」「いや、最悪の運勢だから、食べるのよす?」「何で?」「お腹を壊すかも知れないし…」「どうして?」「だから、運勢が…」「ポテトって、占いとか信じてるの?」「いや、別に…」「ポテトが食べなければ、僕がもらっちゃうよ」と、マロンがソフトクリームに飛びつきました。「あっ!」。マロンが飛びついた勢いで、ママさんの手からソフトクリームがポトリと逆さまに落ちました。「マロン。どうしてそんなに慌てるの。もう、本当に食いしん坊なんだから」と、ママさんが叱りました。マロンは呆然と立ち尽くしました。「あーあ」。マロンのソフトクリームは、熱く焼けた地面の上で早くも融けかかっていました。ポテトはおいしそうにソフトクリームをなめていました。「ポテトはお利口さんね。マロンも少しは見習ったら!」。
「やっぱり占いって当たるんだ。叱られちゃった」と、マロンがつぶやきました。「マロン。少しなめてもいいよ」と、ポテトが言いました。「いいよ。僕がなめると、そのソフトクリームも落としちゃうかも…」「そんなことないよ。大丈夫だから、少しなめたら?」。マロンが、ポテトのソフトクリームをなめました。「ああ、冷たくって、おいしい」。「ねっ?これで、マロンの『大凶』はおしまい。僕は、占いとかおみくじなんて信じないよ」と、ポテトが言いました。「そうだと、いいけどなあと、マロンが大きな口で一なめしました。「ああ、ダメ。全部食べちゃあダメ。僕のソフトクリームなのに…」。
「もう、僕、帰る!」と、ポテトが帰ろうとしました。と、その時、ポテトの耳に「カア!」と鳴く声が不気味に響きました。「何?カラスじゃん!」。ポテトが叫びました。「カラスなんか、この街にはたくさんいるし、珍しくなんかないよ」と、マロンが口の周りをなめながら言いました。「ああ、もう絶望的!ソフトクリームをマロンにあげなければ良かった。きっと、マロンの『大凶』が、僕にうつったんだ」。
Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:27│Comments(0)
│空飛ぶコーギー