2021年01月09日
四つ葉のクローバー
「空飛ぶコーギー」のマロンのお気に入りのベンチが公園にありました。マロンは、そのベンチに空飛ぶポーズで寝そべっているのが好き。でも、その日は先に誰かが座っていました。マロンは、遠くからチラっと見ただけで、それが奈々ちゃんだと分かり、短い足をパタパタやって、ベンチに急ぎました。「あら、マロンも来たの?」と、奈々ちゃんは優しく頭をなぜてくれました。「マロンも?」と、 マロンは小さく首を傾けました。「キャンディーも来てたわよ」と、奈々ちゃんが言いました。マロンがキョロキョロと辺りを見回すと、キャンディーのおしゃまな尻尾が見えました。キャンディーはマロンに気づかず、何か探しものに夢中のようです。
「キャンディーはね。四つ葉のクローバーを探しているのよ」と、奈々ちゃんが言いました。その声で、キャンディーがマロンに気づきました。キャンディーがマロンのそばにやってきました。「ねえ、見つかった?」と、マロンが聞きました。「ううん。私はまだ」と、キャンディーが言いました。「でも、奈々ちゃんは見つかったのよ」。
ベンチの周りは、クローバーがぎっしりと生えていました。マロンも四つ葉のクローバーを探したことはありましたが、まだ一つも見つけたことはありません。「もしかしたら、四つ葉のクローバーなんて、本当はないのかもしれない」と、思っていたくらいでした。「ほらね」と、奈々ちゃんが手を開いて、クローバーの葉を見せてくれました。「一つ、二つ、三つ、そして四つ。ね、四つ葉でしょう?」と、大切そうにすぐにノートに挟んでしまいました。マロンは、もっと見せてほしくて、短い前足を奈々ちゃんの膝に乗せました。キャンディーも空いているもう一方の膝に、前足をかけました。奈々ちゃんが、ノートを開いてくれました。
「一つ、二つ、三つ、そして四つ」。確かに四枚の葉が、一つの軸から花のように開いていました。「これを持っていると、願い事が叶うのよ」と、奈々ちゃんが言いました。「よし、キャンディー。僕たちも探そう!」と、マロンがクローバーの中を、下を向いて探し始めました。匂いはしないはずなのに、鼻をクンクンさせて探しました。キャンディーも探しました。「願い事、願い事」と、つぶやきながら探しました。

マロンの目の前を、カタツムリのおじさんが急ぎ足で歩いていました。「おじさん、何してるの?」と、マロンが聞きました。「やあ、マロン。四つ葉のクローバーを探しているんだよ」と、カタツムリは言いました。「私たちと一緒だ」と、キャンディーは言いました。「私も探そうっと」と、奈々ちゃんも探し始めました。奈々ちゃんの前に、ハシブトカラスが降りてきました。カラスもクチバシを使って探し始めました。カラスの前に、公園のハトが降りてきました。「クックーククー、僕も探そう」と、ハトも四葉のクローバーを探し始めました。ハトの前に神社のスズメたちが降りてきました。「チュンチュン。みんなで探せば、きっと見つかるよ」と、探し始めました。スズメたちの前に、寝ぼけ眼の池のカエルも飛び出しました。カエルも大きなあくびを一つ、四つ葉のクローバー探しに参加しました。
マロンが顔を上げると、ベンチの周りは、ラブラドールのミモザ、ポメラニアンのポテト、ネズミのブレッドと子猫のキューピッドに里子おばあちゃんも加わって、四葉のクローバーを探す公園の仲間たちでいっぱいになっていました。「四つ葉のクローバーを見つけると、どうなるの?」と、誰かが聞きました。「四つ葉のクローバーを見つけると、願い事が叶うんだって」と、誰かが答えました。「願い事、願い事」と、みんな一生懸命に探しました。
「み、見つけた!」と、ネズミのブレッドがすっとんきょうな声で叫びました。みんながブレッドの周りに集まりました。「一つ、二つ、三つ…」と、みんなで数えました。「一つ、二つ、三つ…」。クローバーの葉は、何度数えても三枚しかありませんでした。「カアー」と、ハシブトガラスが低い声で鳴きました。みんながカラスのそばに集まりました。「一つ、二つ、三つ…四つ?」。でも、それはクローバーの葉ではありませんでした。
「奈々ちゃん、もう一度見せて」と、誰かが言いました。奈々ちゃんは、ノートをそうっと開いて見せました。「ね、四つ葉のクローバーでしょう?」。「確かに」と、みんな再び探し始めました。「で、奈々ちゃんの願い事って何?」と、誰かが聞きました。「そうだ、奈々ちゃんの願い事を聞かせてよ」と、別の誰かも言いました。みんなが一斉に、奈々ちゃんの方を見ました。「私の願い事はね。もう、叶っちゃったかも」と、奈々ちゃんが嬉しそうに言いました。「ええ、叶ったの?」と、誰かが言いました。「そうね。奈々ちゃんの願い事って、何だか分かったような気がするわ」と、里子おばあちゃんが幸せそうに言いました。みんながお互いに顔を見合わせました。マロンにもキャンディーにも、奈々ちゃんの願い事が分かったような気がしました。カタツムリにもハシブトガラスにも、奈々ちゃんの願い事が分かったような気がしました。ブレッドにもキューピッドにも、奈々ちゃんの願い事が、きっと自分たちの願い事と同じだと分かったような気がしました。「一つ、二つ、三つ、そして四つ」と、みんな声を揃えてクローバーの葉を、もう一度数えました。「なあんだ。みんな考えていることは、同じなんだ」と、マロンは、お気に入りのベンチに飛び上がり、空飛ぶポーズで寝そべりました。「幸せ、幸せ。明日も探そうね」。空には、いつの間にか、一番星が光っていました。
「キャンディーはね。四つ葉のクローバーを探しているのよ」と、奈々ちゃんが言いました。その声で、キャンディーがマロンに気づきました。キャンディーがマロンのそばにやってきました。「ねえ、見つかった?」と、マロンが聞きました。「ううん。私はまだ」と、キャンディーが言いました。「でも、奈々ちゃんは見つかったのよ」。
ベンチの周りは、クローバーがぎっしりと生えていました。マロンも四つ葉のクローバーを探したことはありましたが、まだ一つも見つけたことはありません。「もしかしたら、四つ葉のクローバーなんて、本当はないのかもしれない」と、思っていたくらいでした。「ほらね」と、奈々ちゃんが手を開いて、クローバーの葉を見せてくれました。「一つ、二つ、三つ、そして四つ。ね、四つ葉でしょう?」と、大切そうにすぐにノートに挟んでしまいました。マロンは、もっと見せてほしくて、短い前足を奈々ちゃんの膝に乗せました。キャンディーも空いているもう一方の膝に、前足をかけました。奈々ちゃんが、ノートを開いてくれました。
「一つ、二つ、三つ、そして四つ」。確かに四枚の葉が、一つの軸から花のように開いていました。「これを持っていると、願い事が叶うのよ」と、奈々ちゃんが言いました。「よし、キャンディー。僕たちも探そう!」と、マロンがクローバーの中を、下を向いて探し始めました。匂いはしないはずなのに、鼻をクンクンさせて探しました。キャンディーも探しました。「願い事、願い事」と、つぶやきながら探しました。

マロンの目の前を、カタツムリのおじさんが急ぎ足で歩いていました。「おじさん、何してるの?」と、マロンが聞きました。「やあ、マロン。四つ葉のクローバーを探しているんだよ」と、カタツムリは言いました。「私たちと一緒だ」と、キャンディーは言いました。「私も探そうっと」と、奈々ちゃんも探し始めました。奈々ちゃんの前に、ハシブトカラスが降りてきました。カラスもクチバシを使って探し始めました。カラスの前に、公園のハトが降りてきました。「クックーククー、僕も探そう」と、ハトも四葉のクローバーを探し始めました。ハトの前に神社のスズメたちが降りてきました。「チュンチュン。みんなで探せば、きっと見つかるよ」と、探し始めました。スズメたちの前に、寝ぼけ眼の池のカエルも飛び出しました。カエルも大きなあくびを一つ、四つ葉のクローバー探しに参加しました。
マロンが顔を上げると、ベンチの周りは、ラブラドールのミモザ、ポメラニアンのポテト、ネズミのブレッドと子猫のキューピッドに里子おばあちゃんも加わって、四葉のクローバーを探す公園の仲間たちでいっぱいになっていました。「四つ葉のクローバーを見つけると、どうなるの?」と、誰かが聞きました。「四つ葉のクローバーを見つけると、願い事が叶うんだって」と、誰かが答えました。「願い事、願い事」と、みんな一生懸命に探しました。
「み、見つけた!」と、ネズミのブレッドがすっとんきょうな声で叫びました。みんながブレッドの周りに集まりました。「一つ、二つ、三つ…」と、みんなで数えました。「一つ、二つ、三つ…」。クローバーの葉は、何度数えても三枚しかありませんでした。「カアー」と、ハシブトガラスが低い声で鳴きました。みんながカラスのそばに集まりました。「一つ、二つ、三つ…四つ?」。でも、それはクローバーの葉ではありませんでした。
「奈々ちゃん、もう一度見せて」と、誰かが言いました。奈々ちゃんは、ノートをそうっと開いて見せました。「ね、四つ葉のクローバーでしょう?」。「確かに」と、みんな再び探し始めました。「で、奈々ちゃんの願い事って何?」と、誰かが聞きました。「そうだ、奈々ちゃんの願い事を聞かせてよ」と、別の誰かも言いました。みんなが一斉に、奈々ちゃんの方を見ました。「私の願い事はね。もう、叶っちゃったかも」と、奈々ちゃんが嬉しそうに言いました。「ええ、叶ったの?」と、誰かが言いました。「そうね。奈々ちゃんの願い事って、何だか分かったような気がするわ」と、里子おばあちゃんが幸せそうに言いました。みんながお互いに顔を見合わせました。マロンにもキャンディーにも、奈々ちゃんの願い事が分かったような気がしました。カタツムリにもハシブトガラスにも、奈々ちゃんの願い事が分かったような気がしました。ブレッドにもキューピッドにも、奈々ちゃんの願い事が、きっと自分たちの願い事と同じだと分かったような気がしました。「一つ、二つ、三つ、そして四つ」と、みんな声を揃えてクローバーの葉を、もう一度数えました。「なあんだ。みんな考えていることは、同じなんだ」と、マロンは、お気に入りのベンチに飛び上がり、空飛ぶポーズで寝そべりました。「幸せ、幸せ。明日も探そうね」。空には、いつの間にか、一番星が光っていました。
Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 04:50│Comments(0)
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