2021年07月12日
青空が消えた!
雨は上がったのですが、公園には、木の葉にたまった銀色の雨だれが降っていました。犬たちは雨上がりが待ちきれず、いつもの公園にやってきました。水溜りには、のぞき始めた夏空が映り、ピョンと飛び越えるだけで、ちょっぴり空を飛んでいる気分。ポメラニアンのポテトはもちろん、「空飛ぶコーギー」のマロンでさえ、水溜りを飛び越すのが大好きでした。
犬たちは、あっちでピョン、こっちでピョンと水溜りを飛びました。「みんな来てるね」と、マロンが見回しました。「そりゃあそうさ。手軽に空を飛んでる気分を味わうには、これが1番だからね」と、ポテトが言いました。たまにチャポンと足が水につかっても、気にしない気にしない。隣りの犬に泥水が跳ねても、気にしない気にしない。1年生のリナちゃんも、空飛び遊びにやってきました。
「ピョン!」と、リナちゃんが小さな水溜りを飛び越しました。続いてポテトが「ピョン!」と飛びました。マロンはわざとジャブジャブ入って泥水を跳ねました。「もう、マロンちゃんったら」と、リナちゃんが言いました。それでもマロンはおかまいなしにジャブジャブやって、ニヤリと笑いました。ポテトも負けずにジャブジャブ入りました。水溜りに映っていた夏空が、泥水の色になってしまいました。リナちゃんが見上げると、せっかく青空がのぞき始めたばかりの本当の空までも、泥水色になっていました。「見て!青空がどこかに行っちゃった」。
「あれ?さっきの青空はどこに消えたの?」と、マロンも空を見上げました。「あれ?」と、ポテトも空を見上げて首を傾けました。マロンたちのところに、いつものトンボが飛んで来ました。「それはね。マロンたちがかき回して泥水にしてしまった水溜りが、あの空に映っているからだよ」と、トンボが言いました。「それって、反対じゃない?空が水溜りに映るんだよね」と、マロンが聞きました。「違うよ。雨上がりには、水溜りが空に映るんだよ」と、トンボが答えました。「まさか?」と、水溜りをのぞき込んだポテトの顔が、空に映って見えました。「ポテトちゃんが、空に映ってる」と、リナちゃんが言いました。そう言うリナちゃんだって、「ほら!」あんなに大きく映ってる。
「…ってことは、この水溜りの泥水がきれいにならないと、この空は青空に戻らないっていうこと?」と、マロンが言いました。「それじゃあ、大変じゃん」と、ポテトが言いました。「マロンがいけないんだよ。ジャブジャブやったから…」。「隣りの水溜りは、どうかな?」と、リナちゃんがのぞきました。「マロンちゃん。こっちは青空が映ってる」。
こっちの水溜りには、アメンボがス~イスイ♪と歩いていました。「汚れた水溜りをきれいに拭くのが僕らの仕事。ス~イスイ♪」と、鏡を磨くみたいに足を動かしていました。「水溜りがきれいになれば、空も青空ス~イスイ♪」。「アメンボさん。あっちの水溜りもきれいに拭いてね」と、リナちゃんが頼みました。「ヘイ。少しお待ちを!」と、アメンボが答えました。
ポテトがマネをして、水溜りの水を拭いてみました。ハーと息を吹きかけて、アメンボみたいにキュキュ♪と拭いてるつもり。でも、「ポテトちゃん。ジャブジャブしたらダメでしょう!」と、リナちゃんに叱られてしまいました。「お待たせ!」と、アメンボがやってきました。「こりゃ、また、ずいぶん汚したもんだわい」と、空を見上げました。「ほら、空にだって泥水が映ってしまい、これじゃあいつまで待っても、夏空は戻って来ないよ」と、口笛を吹いて仲間を呼びました。
公園中のアメンボたちが集まりました。「さあ、仕事を始めよう!」と、一斉にス~イスイ♪と歩き始めました。マロンが口笛を吹いて、公園中の犬たちを呼びました。犬たちは声をそろえて、「頑張れ!頑張れ!」とアメンボを応援しました。「アメンボさん。頑張って!」と、リナちゃんも叫びました。「青空がのぞき始めてる!」と、ポテトが言いました。「本当だ!もう一息!」。ス~イスイ♪キュキュ♪とアメンボたちは、水溜りを鏡みたいに磨きました。
「ありがとう!すっかり青空が戻ったわ」と、リナちゃんが手を叩きながら言いました。「さあ、私が一番先に飛ぶ!」と、誰よりも先にピョンと飛びました。「あっ!」。チャポンと小さな音がして、リナちゃんの右足が水溜りに入りました。「あっ!」と、マロンが空を見上げました。「あっ!」と、犬たちが空を見上げました。「あっ!」と、アメンボも空を見上げました。「リナちゃん。空が泥水色になっちゃったじゃん」と、マロンが叫びました。「せっかく戻った青空が消えちゃった!」と、アメンボが「さあ、また仕事だ!」と、ス~イスイ♪と水溜りの上を歩き始めました。「アメンボさん。ゴメンネ!青空が消えちゃった!」。
犬たちは、あっちでピョン、こっちでピョンと水溜りを飛びました。「みんな来てるね」と、マロンが見回しました。「そりゃあそうさ。手軽に空を飛んでる気分を味わうには、これが1番だからね」と、ポテトが言いました。たまにチャポンと足が水につかっても、気にしない気にしない。隣りの犬に泥水が跳ねても、気にしない気にしない。1年生のリナちゃんも、空飛び遊びにやってきました。
「ピョン!」と、リナちゃんが小さな水溜りを飛び越しました。続いてポテトが「ピョン!」と飛びました。マロンはわざとジャブジャブ入って泥水を跳ねました。「もう、マロンちゃんったら」と、リナちゃんが言いました。それでもマロンはおかまいなしにジャブジャブやって、ニヤリと笑いました。ポテトも負けずにジャブジャブ入りました。水溜りに映っていた夏空が、泥水の色になってしまいました。リナちゃんが見上げると、せっかく青空がのぞき始めたばかりの本当の空までも、泥水色になっていました。「見て!青空がどこかに行っちゃった」。
「あれ?さっきの青空はどこに消えたの?」と、マロンも空を見上げました。「あれ?」と、ポテトも空を見上げて首を傾けました。マロンたちのところに、いつものトンボが飛んで来ました。「それはね。マロンたちがかき回して泥水にしてしまった水溜りが、あの空に映っているからだよ」と、トンボが言いました。「それって、反対じゃない?空が水溜りに映るんだよね」と、マロンが聞きました。「違うよ。雨上がりには、水溜りが空に映るんだよ」と、トンボが答えました。「まさか?」と、水溜りをのぞき込んだポテトの顔が、空に映って見えました。「ポテトちゃんが、空に映ってる」と、リナちゃんが言いました。そう言うリナちゃんだって、「ほら!」あんなに大きく映ってる。
「…ってことは、この水溜りの泥水がきれいにならないと、この空は青空に戻らないっていうこと?」と、マロンが言いました。「それじゃあ、大変じゃん」と、ポテトが言いました。「マロンがいけないんだよ。ジャブジャブやったから…」。「隣りの水溜りは、どうかな?」と、リナちゃんがのぞきました。「マロンちゃん。こっちは青空が映ってる」。
こっちの水溜りには、アメンボがス~イスイ♪と歩いていました。「汚れた水溜りをきれいに拭くのが僕らの仕事。ス~イスイ♪」と、鏡を磨くみたいに足を動かしていました。「水溜りがきれいになれば、空も青空ス~イスイ♪」。「アメンボさん。あっちの水溜りもきれいに拭いてね」と、リナちゃんが頼みました。「ヘイ。少しお待ちを!」と、アメンボが答えました。
ポテトがマネをして、水溜りの水を拭いてみました。ハーと息を吹きかけて、アメンボみたいにキュキュ♪と拭いてるつもり。でも、「ポテトちゃん。ジャブジャブしたらダメでしょう!」と、リナちゃんに叱られてしまいました。「お待たせ!」と、アメンボがやってきました。「こりゃ、また、ずいぶん汚したもんだわい」と、空を見上げました。「ほら、空にだって泥水が映ってしまい、これじゃあいつまで待っても、夏空は戻って来ないよ」と、口笛を吹いて仲間を呼びました。
公園中のアメンボたちが集まりました。「さあ、仕事を始めよう!」と、一斉にス~イスイ♪と歩き始めました。マロンが口笛を吹いて、公園中の犬たちを呼びました。犬たちは声をそろえて、「頑張れ!頑張れ!」とアメンボを応援しました。「アメンボさん。頑張って!」と、リナちゃんも叫びました。「青空がのぞき始めてる!」と、ポテトが言いました。「本当だ!もう一息!」。ス~イスイ♪キュキュ♪とアメンボたちは、水溜りを鏡みたいに磨きました。
「ありがとう!すっかり青空が戻ったわ」と、リナちゃんが手を叩きながら言いました。「さあ、私が一番先に飛ぶ!」と、誰よりも先にピョンと飛びました。「あっ!」。チャポンと小さな音がして、リナちゃんの右足が水溜りに入りました。「あっ!」と、マロンが空を見上げました。「あっ!」と、犬たちが空を見上げました。「あっ!」と、アメンボも空を見上げました。「リナちゃん。空が泥水色になっちゃったじゃん」と、マロンが叫びました。「せっかく戻った青空が消えちゃった!」と、アメンボが「さあ、また仕事だ!」と、ス~イスイ♪と水溜りの上を歩き始めました。「アメンボさん。ゴメンネ!青空が消えちゃった!」。
Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:08│Comments(0)
│空飛ぶコーギー