整理整頓
ポメラニアンのポテトの小屋には、小さな箱、大きな箱、小さな缶、大きな缶がいっぱい積まれていました。ポテトに言わせれば、「これは、クリスマスツリーとか冬に使うものでしょう。これは、沙織さんにもらったもの。来年用の野菜の種はこの缶にしまっておいて、腹ペコマロンが来た時には、この缶の中に、少しだけドッグフードが入ってる」。つまり、整理整頓。空いたところはきれいにお掃除をしています。血液型はA型かな?
「ポテチはどうして、そんなにきれいにしてるの?」と、コーギーのマロンが聞きました。「だって、きれいにした方が見つけやすいし、気持ちだっていいじゃん。むしろ、きちんとしていない方が、気持ち悪くなっちゃう」と、ポテトが答えました。「ええ?そんなのって、窮屈じゃない?」。「全然!野菜だって、毎年の記録を残して来年に役立てるんだ。種を蒔く時期とかね。僕はカレンダーとか分からないから、初めてツバメが来た日とか、セミが鳴いた日とか」と、ポテトが言いました。「朝は、きまった時間に起きて、マロンと遊ぶ時以外は、食事だって時間通りにしてるよ」。「そういえば、ポテチって間食とかあまりしないよね」と、マロンが言いました。「そう、マロンみたいに拾い食いとかもしない」。「たいしたもんだ。来年、1年生になれそうだね」。
「マロン。この前の石ころで遊ぼう」と、ポテトが言いました。「この前?いつ?」と、マロンが聞きました。「3日前の公園で石蹴りして遊んだじゃん」「さあ?その石って、僕が持ってるの?」「だって、マロンが蹴りながら帰ったよ」「じゃあ、どこかその辺にあるんじゃない?」「その辺って、どの辺?」「その辺は、その辺…」「ちゃんとしておかないからだよ!」。
「じゃあ、電車ごっこの紐はどうした?」と、ポテトが聞きました。「電車ごっこ?ああ、あれね。あれは…」「どこにあるの?」「ポテチが持ってない?」「マロンが首に巻いて帰ったでしょう?」「じゃあ、どこかその辺にあるんじゃない?」「その辺って、どの辺?」「その辺は、その辺…」「もう、ちゃんと片付けないからだよ!」。
マロンときたら、小屋の中はグチャグチャ。何でもかんでも捨てられずにとっておくくせに、山積みのまま。新しいものが上に重なり、また新しいものがその上に。やがては雪崩のように崩れて下敷きになり、やっと這い出してまた上に物を置く。もう、どこに何をしまったのか、まったく覚えていません。おまけに朝寝坊で食いしん坊で、忘れん坊。それでも、他のことは忘れても夢だけは忘れないし、優しいし、空を飛べるし…。もしかしたら、O型かな?
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