泥んこコネコネ

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2021年04月21日 04:26

 「空飛ぶコーギー」のマロンは、泥んこをコネコネしていました。短い前足は、泥んこですっかり汚れてしまっていました。マロンは、まったくお構いなしでコネコネしていました。鼻の頭にも泥んこがベタっと付いて、「マロン。叱られるよ」と、ポメラニアンのポテトに言われてしまいました。「うん?」と、マロンはポテトの顔を見ましたが、相変わらずコネコネの手を休めません。マロンの隣には、あれ?新しい友だちのケロちゃんもコネコネしていました。

 「マロン。何作ってるの?」と、ポテトが聞きました。「僕はね。東京タワー。それで、ケロちゃんは、富士山だって」と、マロンがコネコネの手を休めることなく言いました。なるほど、マロンがコネコネした泥んこは、少しだけとんがって伸びていました。ケロちゃんの泥んこは、まだまだグチャグチャのまま。それを見たポテトが「僕、ケロちゃんのを手伝ってあげる」と、泥んこに前足を突っ込みました。ピシャっと泥がはねました。はねた泥んこが、ケロちゃんの頭に落っこちました。「ケロ♪」と、ケロちゃんが鳴きました。

 ポテトは泥んこをかき回して、少しずつペタペタと盛り始めました。「ほら、少し出来た」。ケロちゃんがその上に泥んこを重ねました。「ケロ♪」と、ケロちゃんが言いました。ポテトは、ドロドロ泥んこをグチャグチャ集めて、ペタペタ盛りました。ケロちゃんは、ヌルヌル泥んこをビシャビシャ集めて、ケロケロ盛りました。「ほら、東京タワーより高くなってきた」と、ポテトが言いました。「ケロ♪」と、ケロちゃんも言いました。

 泥んこの富士山は、マロンの東京タワーを見下ろして、どんどん高くなってきました。「それ、混ぜて、混ぜて…」と、ポテトがかき回しました。ケロちゃんはすっかり泥んこカエルになってしまいました。ケロちゃんがピョンと跳ねたら、クチャクチャ泥んこがポテトの頭に落ちました。「ケロ♪」と、嬉しそうに鳴きました。

 ポテトは、泥んこの中でピシャピシャ歩きました。小さな泥んこがマロンの背中にもかかりました。「もう!」と、マロンもピシャピシャ歩きました。今度は大きな泥んこが、ポテトとケロちゃんにかかりました。「ケロ♪」と鳴いてケロちゃんが、泥んこの東京タワーの上に乗っかりました。ポテトは泥んこ の富士山に登って、「わっ!」。ツルリと足を滑らせました。「それ!」っと、マロンが泥んこの中をパタパタ歩き、歩くたびに、泥んこは雨のように降りました。

 「さあ、泥んこ遊びはおしまいにして…」と、トイ・プードルのキャンディーがやってきました。マロンとポテトとケロちゃんは、公園の水飲み場まで走って行きました。キャンディーが蛇口をひねると、カーテンのような水が噴きあがりました。「わあ、虹が見える!」と、マロンが言いました。「ケロ♪」と、ケロちゃんが鳴きました。「また、やろうね」と、ずぶ濡れポテトが言いました。「やろう、やろう!泥んこケロケロ♪ネ?」。

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